理学療法学科教育目標
- 1:他者への思いやりを重んじるとともに、人々の人格を尊重し礼節をもった行動ができる。
- 2:社会の環境変化に適応し、行動するための教養力を培うことができる。
- 3:より高い専門技能を修得するため、自らの成長を欲し自ら学習する力を培うことができる。
- 4:理学療法対象者のニーズに応じるために必要な臨床実践能力を修得し、基本的理学療法が実践できる。
- 5:理学療法士の役割と責任を理解し、チームの一員としての自覚を持ち臨機応変に行動ができる。
病気や事故などによる障がい、または加齢により身体の機能が衰えた人々に対して、運動療法(身体を動かすことで機能の回復をすすめる療法)、物理療法(温熱や光線などの作用により症状を緩和する方法)、日常生活動作練習(基本的な動作能力を日常生活に応用する練習)などを用いて、日常生活に必要な機能や能力を総合的に向上させ、社会復帰を支援していくリハビリテーションの専門分野です。
運動療法
身体を動かすことで
機能の回復を促進する
物理療法
温熱や光線などの作用により
症状を緩和する
日常生活
動作練習や指導
基本的な動作能力を
日常の生活に応用する
社会環境の変化が進む中、人々が健やかに暮らしていくために必要な地域生活の自立や健康増進に貢献できる人材育成を目指します。これを達成するために、自身がチーム連携の中でその役割と責任を理解し、環境に応じた対応ができるとともに対象者の多様なニーズに応える理学療法が提供できるよう教養を高め、専門職としてより高い技能修得が可能となる教育を行います。
理学療法士の活躍する場(フィールド)は、いわゆる障がい者(児)の方々へのリハビリテーション提供を中心とする病院や施設などの医療・福祉領域のみにとどまりません。障がいの予防や健康増進に関しても、日頃から日常生活上での指導や適切な運動を指導することにより、健康でいられる期間を延長していくことにも重点が置かれています。また、スポーツリハビリテーションや障がい者スポーツ、研究機関や教育機関など、その活動範囲は多岐にわたります。障がい者(児)や高齢者などを対象に「障がいを持つ前」から「障がいを負ったその後の生活」までの支援、そしてそれを支えていく人たちへの教育活動や啓蒙活動など、幅広い領域にわたって人々の生活や人生を支えています。
社会・生活・ひとの理解及び人体の構造や機能の理解など今後の学習基盤となる基礎を理解することを目的として、基礎分野と専門基礎分野の科目を中心に学びます。また、理学療法士の仕事を理解し、資質、責任感を培うため、理学療法概論など専門分野の基礎科目を学習するとともに介護保険施設において臨地実習を行います。
物理学、化学、生物学、心理学、情報科学、人間工学、道徳、人間関係論、社会学、英語、体育
基礎解剖学、触診実習、基礎生理学基礎運動学、運動学実習、人間発達学、医療概論、臨床医学概論、リハビリテーション概論、健康学概論
理学療法概論、理学療法評価学、基礎理学療法学、生活活動学、地域理学療法学、臨地実習
専門基礎分野では、障がいや病気の成り立ちを理解するため、臨床医学の科目を中心に学びます。専門分野では、理学療法評価学、理学療法学など、理学療法を実践するため必要な理論、考え方や技術などを学びます。また、地域社会における理学療法士の役割を理解するため、地域理学療法導入実習を行います。
統計学、公衆衛生学
機能解剖学、病態生理学、バイオメカニクス論、老年学、病理学、臨床医学総論、臨床心理学、整形外科学、神経内科学、内科学、外科学、精神医学、小児科学、リハビリテーション医学、多職種連携論
理学療法研究法、理学療法評価学、基礎理学療法学、骨関節系理学療法学、中枢神経系理学療法学、内部障害系理学療法学、物理療法学、装具学、生活活動学、対象者支援学、地域理学療法学、地域理学療法導入実習
専門基礎分野では、薬理学や栄養学の他、多職種連携論などチーム連携を図るために必要な内容を学びます。専門分野では、各疾患、各分野の理学療法技術やリスクマネジメント、対象者支援など、より専門的知識、技術を深めるための科目を学びます。また、これまでの学習内容をもとに、臨床施設において、対象者を理解することを目的とした評価実習を行います。
教育学
臨床運動学、栄養学、摂食嚥下学、薬理学、多職種連携論、社会保障論、地域生活環境論
理学療法研究法、リスクマネジメント論、理学療法評価学、骨関節系理学療法学、中枢神経系理学療法学、内部障害系理学療法学、神経筋疾患理学療法学、発達障害理学療法学、複合病態理学療法学、物理療法学、義肢学、対象者支援学、地域理学療法学、評価実習
3年間培ってきた学習の集大成として、臨床施設で対象者の理解から理学療法実践過程を学ぶことを目的とした総合臨床実習を行います。また、地域活動の理学療法の役割をより深く理解するため、より実践的な地域理学療法実習を行います。卒後、各フィールドで理学療法士として仕事をするために必要な学習力と実践力を培います。
職場管理学、地域理学療法実践実習、総合実習
○臨床実習/各学年において、医療および介護の現場、さらには地域に関わる現場での臨床経験を積む機会を設けています。実習前には、充実した臨床実習になるように、カリキュラム外での講義も実施しています。また実習終了後には、それぞれの実習で経験したことをもとに考えを深めるため、学内でのセミナーを実施しています。実習施設は岩手県内のみならず、県外の実習施設も複数確保しています。
その他のイベント:就職ガイダンス、就職説明会など
【長期休み期間】
●夏休み/8月上旬から下旬 ●冬休み/12月下旬から1月上旬 ●春休み/3月中旬から4月上旬を予定しています。
理学療法士(国家試験受験資格)
例年求人件数は1,000件以上!
各年で就職活動に向けたイベント開催
先輩から後輩へのレクチャーなど様々な企画
岩手県医療局(岩手)/いわてリハビリテーションセンター(岩手)/岩手医科大学附属病院(岩手)/盛岡つなぎ温泉病院(岩手)/総合花巻病院(岩手)/栃内第二病院(岩手)/東八幡平病院(岩手)/南昌病院(岩手)/青森県職員(青森)/竹田綜合病院(福島)/吉川中央病院(埼玉)/赤羽リハビリテーション病院(東京) ほか
本学科では、理学療法学科単独の学科説明会を年2回(例年8月と3月)実施しています。さらには、夏休み・冬休み期間を強化月間とし、個別での見学相談にも対応しています。詳細は、開催前に発送する本学科からの案内文書をご確認ください。
本学科では、最終学年の4年次だけでなく、1年次から年1~2回の就職ガイダンスを行っています。各学年における就職ガイダンスを経ることにより、自身の目標に沿った就職先を早期に検討し、選択肢を広げた上で学業に専念していただくことを目的としています。また、4年次には就職供覧会や就職説明会も行っています。
学生時代の切磋琢磨が
自己研鑽の原動力に
私は高校卒業後3年間の社会人経験を経て岩手リハビリテーション学院に入学しました。
学生時代は初めて受ける内容の講義に難しさを感じながらも、同期生の仲間と一緒に教え合い、学びを深める楽しさがありました。実技練習では一人一人の苦手な部分を仲間同士で話し合い改善していけるように練習を続ける事もありました。試験前は特にみんなで教え合ったり、実技練習を続けたりする事があったからこそ今の自分があると思っています。私は現在病院に勤務して4年目になります。様々な悩みを抱えている患者様、ご家族様に理学療法士としてどの様に関わっていくべきか試行錯誤の毎日です。日々の臨床では治療介入していく難しさを感じる事もありますが、患者様に「あなたが担当でよかった。」と言って頂ける事が大きなやりがいになっています。また、理学療法士になり自己研鑽を続ける原動力は学生時代の先生方の教え、同期生の仲間との悩み考え抜いた日々が大きな糧になっています。これからも「あなたでよかった。」と言ってもらえる理学療法士を目指して自己研鑽に励みたいと思っています。
岩手県立盛岡商業高等学校出身
在学中に得た積極性で
患者目線の理学療法士に
私は母のケガをきっかけに、理学療法士という仕事に興味を持ち、長い歴史のある岩手リハビリテーション学院に入学しました。入学前までの私は、自分から率先して行動することや人前に出ることが苦手でした。そんな私が入学後、同級生と学び、先生方と関わる中で自分から考えを発信することや積極的に行動が出来るようになったと感じます。その他、在学中は勉強面だけでなく、社会人になる上で必要な人への思いやりや気遣いも学ぶことが出来ました。実際に理学療法士として働いている今、学院で学んだことが患者さんとの関わりや職場での働き方などの基盤になっているように思います。
現在は、患者さんに驚かされることや嬉しい出来事が多く、様々な経験をし、とてもやりがいを感じながら働いています。学院では、様々な方向で頼りになる先生方がいるので、安心して学ぶことが出来ます。皆さんもこの学院で学んで、一緒に素晴らしい理学療法士を目指してみてください。
岩手県立北上翔南高等学校出身
自身の経験から、寄り添える
理学療法士を目指す
高校生の頃、部活中に怪我をしてしまい、思い描いていた高校生活を送ることができず苦しく辛い思いをしました。この経験から同じ思いを持った方々に寄り添い社会復帰の力になりたいと思い、理学療法士を目指そうと思いました。
オープンキャンパスでは県内の理学療法について学び、他の医療機関や施設との連携・交流が盛んであることに魅力を感じ、また学院では充実した環境で学習に打ち込めることを知り、入学を決意しました。
特に印象に残っている授業は、学校周辺で行った車いす散歩です。この講義を通して、普段自分たちがなんとなく、歩いている道のちょっとした段差などでも、車いすを利用している方にとっては、とても大きなバリアなのだと理解すると共に、環境が生活を大きく左右するきっかけになり得るという環境と生活の結びつきについて学ぶことができました。自分の考えを変えるきっかけになりました。
profile
理学療法学科 3年岩手県立遠野高等学校 サッカー部出身